南河内や和泉地方は昔は慢性的な水不足に悩まされた地方です。瀬戸内海式気候で降雨量が少ないことに加え,大きな川もありません。もちろん現在は水のインフラは整っていますが,今でも大阪府南部には非常にたくさんのため池が残っています。
この池はこれまでに何度も改修されてきました。古くは731年,行基による改修が記録にあるそうです。行基は奈良時代,各地を回って橋や道路,ため池や溝など人々に必要なものの工事を指揮して,仏教を広めた人です。
二つの川がこの池に流入し,一方で流出する川は北の大和川に流れ込みます。流入する川の一つ,西除(にしよけ)川を上流にたどっていくと,あまの街道の終着点,天野山に辿り着きます。
こっちに行くと狭山池博物館です。

一周は2850メートル,道端のプレートが現在どれくらい歩いたかを教えてくれます。
狭山池は,気持ちの良い市民の憩いの場となっています。一周をぐるりと散歩できるように歩道が整備されていて,ジョギングをする人や犬の散歩をする人,土手でキャッチボールをする人など,たくさんの人々でにぎわっています。
写真ではほとんど人が写ってませんが,そういう風に撮ったからです。7月のとある日の夕方6時半頃でもう日も沈もうかという時間でしたが,結構人がいました。
博物館のある側は閑静な散歩道ですが,大きい幹線道路沿いの辺りは,やっぱり少し騒がしいです。
金剛山(右)と大和葛城山が見えます。
むかしこの池が心霊スポットだという話を聞いたことがあります。このさわやかな雰囲気からは想像できないですが。水場にはそういう話は付き物ですね。滝畑ダムなんかも心霊スポットとして有名です。
岩湧山や三国山が向こうに見られます。
池の周りをぐるり一周しました。
池を離れて少し行くと岩室という交差点がありますが,そこはあまの街道のスタート地点になっています。あまの街道をずっと行くと,西除川の源でもある天野山金剛寺に着きます。
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